<今日の店長日記は週末特別版としてかなりなが〜くなりますので、分割してお読み頂けましたらと思います>
今、店長は出張中で東京におりませんが、昨夜夕食をしました弊社顧問弁護士先生から思いがけない話を聞きましたので、ご紹介致したいと思います。
大阪のお客様で以前1.14カラットのダイヤモンド(Dカラー、IFグレード)を購入された方がおられ、この方が試しに質屋に持って『幾ら?』と聞かれたそうなのです。
このダイヤモンドは340万円ほどでご購入になられていましたが、この質屋さんは『100万円』と言ったそうなのです。
この話を弁護士先生にしましたところ、このように言われたのです。
『それはかなり価値のあるダイヤだね』と。
340万円が100万円ですから私からしますと『?』となりますが、質屋の仕組みを聞いて『なるほど!』と思った次第です。
日本の質屋さんの年利は100%近くになっており(この点ではサラ金は可愛いものだと言われてもいました・・)、このダイヤで100万円を貸すということは、『質流れして欲しい』という意味合いがあるとのことなのです。
即ち、質屋さんは100万円を貸して年利100%ですから一年で100万円近い利息となります。
一年後に質に入れた方が仮にこの【ダイヤモンド】を手元に戻そうと思えば100万円利息を払うことになりますが、殆どの場合、このような高利の負担が出来ないため、『流れてしまう』そうなのです。
で、どうなるでしょうか?
この【ダイヤモンド】の価値が仮に100万円であれば、貸したお金100万円で利息貸し倒れ100万円となり質屋さんは儲かりません。
ところが、この【ダイヤモンド】の転売価値が元本200万円(貸した元本100万円+利息100万円)の2倍の400万円とすれば十分儲かることになるのです。
質屋さんは、利息として100万円払って貰っても儲かる、転売しても儲かる。
どちらに転んでも担保がしっかりしている為に安全に儲けることが出来るから100万円という強気の価格を出したのだと。
そしてこのようにも言われていました。
『その質屋さんは目利きが出来る質屋さんだね』、と。
『くずダイヤ』か『本当に価値のあるダイヤ』か見分けることが出来る目をもっていると。
ところで、この【1.14カラット】の米国での価値はいったい幾らになるでしょうか?
以下は世界中の宝石商が取引の基準にしている価格です。
1カラットあたり$18,900:1.00〜1.50カラット
今回は1.14カラットですから、計算は以下のようになります。
$18,900X1.14カラット=$21,546(246万円)
世界中の宝石商はこの価格で取引をしているのです。
この価格は、標準品(VG)クラスであり、エクセレント(EX)クラス、更に蛍光色がある・なしでも価格は5%、10%変わってきます。
色々な付加要件がついて価格は変わってくるのですが、普通の<Dカラー・IFグレード、VGカット>であれば、凡そ上記の$21,500(246万円)で取引がされており、これにニューヨーク州税、日本での消費税が加算されれば完全なコストは280万円以上になるのです。
今回の質屋さんはこの価格を知っていた筈であり、米国で売っても、日本で売っても儲かる【ダイヤモンド】だったのです!
今頃、この質屋さんは『惜しいダイヤモンドだった!』と地団駄踏んでいるかも知れません・・・。
ところで、今、店長はやきもきしている事案があるのです・・・。
10月にロンドンのクリスティーズオークションで購入した【ドーム:花瓶】が行方不明になっていることが分かったのです。
価格は凡そ500万円であり日本の美術館には未だ入っていないとのことであり、なんとしても欲しい作品なのですが、いったいどこで遊んでいるのか?
デザインは『ペンギン君』ですので、今頃南極にでも遊びに行っているのかも知れませんが、海外オークション等で購入した場合、このような未着というリスクもあり、仮に無くなった場合や破損という場合には保険で全てカバーできますが、時間は半年以上掛かる上に自分で全て保険申請書類等を書く必要があるのです。
店長は、このような事例に慣れていますので、『またか・・』という位の意識しかありませんが、それでも物凄いストレスなのです。
普通の方がこのような目にあわれた場合には言葉の問題もあり途方に暮れるかも知れません。
また、国内オークション等で購入した場合でも思いがけない破損という事例もあるのです。
通常、オークション開始前数日に『下見会』が開催され、自由に作品を検品することが出来るのですがここで問題が発生することがあるのです。
例えば、この『下見会』が3日間あり、一日目に見に行き気に入った作品があったとします。状態も完璧で何の問題もない作品!これなら買ってもよいと。
ところがオークションも無事終わり自分の希望する価格で購入でき、『よかった、よかった!』と思って、作品を受け取ったところ破損が・・・。
このような場合、オークション会社は一切クレームは受け付けてくれないのですが、この作品に一体何が起こったのでしょうか?
答えはこの方が『下見会』で見た後に、この作品を見た人が壊したことが考えられるのです。
『そんなことがありえるのか?』と思われるかも知れませんが、これは実際にあった話なのです。
後からきた人が壊してしまいましても係りの人がいなければそのまま知らん顔して壊した人は去っていきます。
結果、誰にも分からずに破損されたままオークションに掛けられ買われていく・・・。
比較的手馴れた店長ですら、一旦トラブルに巻き込まれた場合、大変な手間とストレスになるのです。
ましてや何も知らない普通の人がトラブルに巻き込まれたら・・・。
我々専門家が素晴らしい作品をご提供する<裏側>にはそれは大変なストーリーが隠れていることもあるということをお分かり頂けましたらと思います。
『それはビジネスだから当然だろう!』と言われるかも知れませんが、このような背景があるからこそ、普通のギャラリーは仕入れ価格の3〜5倍、宝石商の中には10倍もの価格設定をしているところもあるのです。
わがギャラリーは?
余りにも利益が少なくて中には販売価格150万円の作品で利益10万円という事例もある位で、消費税を考えれば殆ど利益なし、という事例もあるのです・・・。
(これは店長の値付けミスなのですが・・・)
今後とも素晴らしい作品を可能な限りお安くご提供して参りたいと思っておりますので、よろしくお願い申しあげます!!
皆さん、よい週末を!!
2007-12-14 18:01